著者のコラム一覧
田尻一郎元ソフトバンクホークス広報

1967年、福岡県出身。86年ドラフト外で南海ホークスに入団。88年に引退し、98年まで打撃投手。その後は、一軍と二軍のマネジャー、広報などを歴任した。2023年オフに退団。一軍出場なし。

《今宮健太の巻》「1発かました」僕の目を臆さず睨み返した生意気根性に「大物になるかも」

公開日: 更新日:

「おまえらに宿題出すわ。人の顔を見て挨拶すること。下向いてばかりじゃ話にならんぞ。先輩に『おはよう』と言われる前に、自分から挨拶。おまえらも高校で言われてたやろ」

 僕にこう言われると、大抵の高校生はびびってしまうもの。でも、他の2人がうつむく中、今宮だけはじっと僕の目を見ていた。案内が終わり、「どうだった?」と聞く簑原さんに僕はこう言いました。

「簑原さん、いつも『一発かましたれ』って言ってるじゃないですか。でも、今宮は僕のことを『このオヤジ、何言ってんだ』くらいの目で見てましたよ。大物になるかもしれませんね」

 入団する前から、それだけ気持ちの強い性格だったんです。

 ある年のシーズン終盤にふくらはぎを負傷した時も、何とかCSに間に合わせようと奮闘。僕が「気持ちはわかるけど、無理をしたらさらにケガするぞ」と心配すると、今宮は平然とこう答えました。

「僕の立場は安泰じゃないんで。今はレギュラーでバリバリやっていても、その座を誰かに取られるかもしれませんから」

 これには思わず僕も「健太、おまえは俺らの時代の選手みたいやな」と驚いたくらいです。

 素質も凄いが、それ以上に努力と根性の男。ホークスの打撃職人、中村晃にもそんな一面がありました。(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末