高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース
実際、前橋育英は4得点のFWオノノジュ慶吏が慶応大、MF石井陽が明治大、FW佐藤耕太が神奈川大に進んでサッカーを続ける。死闘を繰り広げた両チームから、J1上位チームに入団する選手は皆無なのだ。
「1993年にJリーグが発足し、プロ選手になるための道筋は、やはりJ配下のジュニアユース、ユースを経由してトップチームとプロ契約を交わす、もしくはユースから強豪大学のサッカー部に進んでフィジカル、メンタルをより強化し、さらに社会性を身に付けた上でプロに進むという2パターンが主流となりました」(前出の六川氏)
英プレミアのブライトンで活躍している日本代表FW三笘薫は、川崎のU10(10歳以下チーム)から順調にジュニアユース、ユースとステップアップ。高校卒業時にトップチームを打診された。ところが、三笘は「大学で自分自身を心身ともに鍛え直したい」として断り、筑波大でレベルアップして3年次には川崎入りが内定した。
「筑波大卒業後は、古巣の川崎で即戦力として数字を残し、2021年の夏にブライトンに引き抜かれ、日本代表でも必要不可欠な存在となっている。この三笘の辿った経歴が、現時点の<最優良モデルケース>と言えるでしょう」とは前出・六川氏である。