巨人捕手戦争の行方に異変あり…他球団スコアラー指摘「甲斐は絶対的な存在じゃない」「固定ならむしろラッキー」
甲斐とは5年15億円の大型契約を結んでいる。昨季チーム最多の72試合でスタメンマスクをかぶった岸田行倫(28)、強打の大城卓三(31)、経験豊富な小林誠司(35)との競争は建前か。
実松一成バッテリーコーチ(44)に聞くと、「いやいや、そんなことはありません」と、こう続けた。
「甲斐の良さはリード面とか捕球技術とかいろいろありますが、ソフトバンク時代に何度も優勝している経験からくる安心感というか、どっしりしているところ。でも、卓三だって何度か優勝しているし、昨年は岸田も経験した。経験値でいったら誠司だって負けていない。(一軍スタートの)若い山瀬(慎之助=23)も含め、みんなが持ち味を出してくれれば、誰が試合でマスクをかぶるか分かりませんよ。いい競争になるはずです」
バッテリーコーチという立場上、「甲斐で決まり」なんて言えないだろうが、生え抜きの捕手勢も決して負けていないと強調。実際、キャンプを視察する他球団のスコアラーはこう言っている。
「阿部監督は捕手はどう使うんですかね? 甲斐は絶対的な存在じゃないでしょう? 打撃力を比べれば大城の方がだいぶ上だし、総合的には岸田もいい。甲斐キャノンと強肩がクローズアップされますけど、最近は盗塁阻止率が落ちている。昨季の阻止率は岸田が.475でセの1位だったのに対し、甲斐は.284でパの5位だった。昨年は岸田がだいぶ成長し、うちの監督は警戒していました。阿部監督が甲斐の起用にこだわってくれたら、かえってラッキーかもしれない」