巨人・田中将大の「魔改造」託された名伯楽が明言「3カ月で見通し。2ケタ勝たせるつもりで」

公開日: 更新日:

「菅野智は5月に始めて6、7月にはスピードが戻った」

久保康生コーチ(右)と田中将大(C)日刊ゲンダイ

 巨人の春季キャンプが行われている宮崎では、久保康生巡回投手コーチによる田中将大(36)への「魔改造」が話題だ。2023年に4勝に終わった菅野智之(35)を昨季15勝と見事に復活させた手腕が見込まれ、阿部慎之助監督(45)には、「マー君復活」を一任されている。日米通算197勝の田中将も昨季0勝に終わり、楽天から巨人へ移籍。菅野同様、田中将も復活させられるのか──。第1クール最終日の2月4日、名伯楽に聞いた。

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  ◇  ◇  ◇

 ──阿部監督は「久保さんに付きっきりで田中将を見てもらいたい」と言っている。

「監督には1月のスタッフ会議の時に、彼をどうしようかと相談を受け、密着してやってもらいたいということでした」

 ──田中将はかつて150キロを超える直球とスライダー、フォークなど多彩な変化球、抜群の制球力を武器に日米通算197勝。しかし、昨季は0勝に終わった。第1クールの密着指導を終えて。

「まずは普通に、もっとシンプルに、投球の原理原則に近い形にしていこうと。腕の振りが横になるというか、ボールを前でリリースする形がすんなりできないところが、菅野と非常に似ています」

 ──23年に4勝と苦しんだ菅野と二人三脚で投球フォームを改造した結果、昨季15勝と復活させた。

「昨年の菅野の復活は、巨人の投手陣を支えてくれました。テーマは同じなんですが、簡単に言うと腕を縦振りにしたい。菅野も本人が考えた練習をしていたけど、コンセプトがよく分かっていなかった。田中くんもそうみたい。そういう意味でよく似ている。分かってしまえば再スタートできるんじゃないか」

 ──初日にはマウンドの傾斜を逆向きに使ってスローイングを行うなどユニークな練習法を取り入れている。

「上に登ろうとすると、軸足をしっかり立てられる。軸足が折れてリリースポイントが低くなっていたから、重心をいい時の位置に戻そうと。体重移動といってもいろいろあって、どうすれば、ためる、残す、開かないことができるのか。これを今やっているところ」

 ──沈むとダメですか?

「ちょっと沈み込み過ぎていた。力をためようとしてそうなってるんだろうけど、右足を潰してしまうと、体重移動がスムーズにいかなくなる。体重は左側に移動しないといけないが、早く潰してしまうと移動が難しくなる。これは菅野と同じ現象ですね」

 ──田中将は23年10月に右肘のクリーニング手術をした。その影響はありますか。

「彼によると、以前は毎日ボールを投げると、体というか、肩や肘が追い付かなかったそうです。この4日間、結構投げていますが、肩、肘は問題ないそうです。今のところ、この練習が合っているということ。彼も野球人生の岐路に立って、何かを変えなきゃいけないと分かっています」

 ──久保コーチはよく「投手は35歳から40歳で体と技が合わなくなる」と言っている。

「投手はこの年齢であるべき姿になる。体力は落ちるけど、頭には技術の蓄積があって『体』と『技』が合わなくなる。田中くんがその状態」

 ──菅野と同じノーワインドアップで投球練習を行っている。

「投球動作に入る時、体がプレートの後ろに行かないようにしようと。後ろから前に行かないようにしようという狙い。振りかぶって体が回り始めると、どうしても横に回ってしまうんです」
 

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