初シードの重圧かかる菅沼菜々ちゃんを「脅し」たことがあるんです
この年のシードは、賞金とメルセデスのどちらかのランキング上位50人に与えられます。次戦は日米ツアー共催のTOTOジャパン。前年に続きコロナの影響を受け、米ツアーの選手は参戦せず、国内選手だけの4日間大会。菜々ちゃんはここで19位。残りの伊藤園とエリエールで予選落ちしなければシード確定と見ていました。
ところが、伊藤園の初日は78と崩れて68位と出遅れます。初シードのプレッシャーがあったのでしょう。そこで思い切った策に出ました。
「菜々ちゃん、明日予選落ちしたら責任とって俺はやめるから。来週も」
そんな連絡をすると、菜々ちゃんから「わかりました」と返事がきました。もちろん予選落ちしたら次週はキャディーをやめるつもりでいました。
少々荒っぽい手を使ったのは、これで目の前の一打に集中できると思ったからです。
その「脅し」が奏功したのかはわかりませんが、翌日は68で回り、33位へ順位を上げ、予選を通過。次戦のエリエールは9位タイ。賞金ランク47位、メルセデスランクも45位。悲願の初シードを決めたのです。うれしかったなあ。