「ネット依存症」樋口進氏
「ネット上でチームを組んでプレーするオンラインゲームは、途中で自分だけ抜けるということが出来なくなるんですね。ゲーム仲間から称賛されることで得られる達成感・高揚感も魅力です。親世代が知っている昔のコンピューターゲームと違って、今は『人とつながりたい』という欲求をゲームが満たしてくれますので、『そのうち飽きるだろう』と親は軽く考えがちですが、ますますネットから離れられなくなるのが現状です」
スマホの登場によって、依存する度合いはさらに強まっている。友だちからのメールにすぐ返事しないと仲間外れにされるという心理も働くからだ。
「中には息子と心中しようかと思い詰める親御さんもいらっしゃいます。心配な方は、悩みを抱え込まず、専門機関に相談してみてください。同じ立場の親の話を聞いて『うちの子だけじゃなかった』と気が楽になります。渋々親に連れられてきた子も『自分は依存なんかしてない』と不満そうですが、健康診断の結果、栄養状態が悪くなっていること、筋力が低下していることを数字で示すと、これはまずいと自覚して回復できることもあります」