雑誌「映画秘宝」の名物編集者として斜陽著しい映画界で怪気炎を吐いた著者。いまは米国在住の映画評論家としてマイナーなドキュメンタリー映画を次々紹介するなど、独自のスタンスに立つ。そんな著者の「我が偏愛のアクション映画」論集。
表紙の絵からしてチャールズ・「マンダム」・ブロンソンにリー・マービン。ほかにリチャード・ウィドマーク「刑事マディガン」、ロバート・カルプ「殺人者にラブ・ソングを」、オリバー・リード「電撃脱走・地獄のターゲット」など知る人ぞ知るアクション映画の名品が愛着こめて語られる。一介の映画ファンの魂をつらぬく姿勢がいい。(洋泉社 1400円+税)