「目には目を」新川帆立著
「目には目を」新川帆立著
少年Xを暴行して殺した少年Aは、当時15歳10カ月だったため刑事手続きの対象とならず、少年院送りとなった。17歳の春に少年院を出て土木作業員となったが、勤務態度は悪く、欠勤しがちになる。
2カ月ほど欠勤が続き、雇用主が部屋を訪ねると、Aのめった刺しにされた遺体があった。自首した容疑者は少年Xの母、田村美雪。美雪は裁判で犯行の動機を問われ、「死には死をもって償ってもらおうと思ったんです」と答えた。第1審で無期懲役の判決が下され、美雪は控訴しなかった。
重い罪を犯して少年院で出会った6人の少年が、更生して社会に戻った後、起きた事件を描くミステリー。
(KADOKAWA 1870円)