“愚衆民主主義”とまで揶揄されるデモクラシーの未来とは

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「シルバー民主主義」八代尚宏著

 急激な少子高齢化で現実化した「投票者の半数が60歳以上」という事態。総人口は2010年から下り坂なのに65歳以上の高齢化率は60年まで増加し続けるのだ。

 日本の社会保障制度の枠組みができた70年代前半、著者は若手の経企庁官僚。いま70歳になって改めて、これほど急速な高齢化は予想もされてなかったという。

 問題は数の多い高齢者がリスク要因となるシルバー民主主義をいかにコントロールするか。現実策は年金支給開始年齢の引き上げ。平均寿命が日本とほぼ同じ豪州では先進国中最高齢の70歳に引き上げた。急務は高齢者の労働市場を整備することだと説く。高齢者が現行制度にしがみつくのは「孫からお年玉を取り上げるような」ものと戒める。(中央公論新社 780円+税)


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