京都府立図書館(京都府)悠久の都に響く和洋合奏の音
歴史と文化の都、京都──。日本初となる公立の図書館「京都集書院」の流れをくんでいる。
京都集書院が開館したのは1873年。福沢諭吉や元会津藩士の山本覚馬、政府が米国から招聘した教育者のチャールズ・ボールドウィンらが、設立に大きく関わっている。
「日本の教育に大きく影響した福沢諭吉、山本覚馬ら幕末の志士など、文明開化を担う人材の精神が宿っていたのが京都集書院です。当時、京都には番組小学校(現在の学区の前身となる、自治組織の『番組』を単位とした小学校)が設立され始め、公共の図書館が必要とされる土壌もありました」(図書サービス部長の堀奈津子さん)
京都府立図書館の名称となったのは、1898年。新館を欧州に留学経験のある建築家・武田五一が設計したが、1995年の阪神・淡路大震災で被害が出たため、改築を余儀なくされた。
「それでも歴史の重みを残すため、武田五一が設計したファサード(建物正面部のデザイン)を残しています。道行く人が写真を撮影したり、外国の観光客の方もよくいらっしゃいます。館内も照明器具などをはじめ、レトロクラシカルで人気があります」(堀さん)