「謎は花に埋もれて」宇佐美まこと著
「謎は花に埋もれて」宇佐美まこと著
小さな花屋の店主・志奈子は、菜摘から独り暮らしの房枝叔母さんが亡くなったという知らせを受けて、房枝の自宅に駆けつけた。房枝の姪の菜摘と志奈子は何十年も付き合いが続いている大学の同窓生で、房枝は志奈子の店をひいきにしていたのだ。
房枝のかかりつけの医師は「心不全でしょう」と言った。検視が終わり、警官が引き揚げたので居間に行ってみると、床は水浸しだった。房枝が倒れた時に花瓶に触れたのではないかと思われた。志奈子が花を片付けようとしたら、ガーベラの茎に針金の芯が通してある。(「ガーベラの死」)
ほかに、馬酔木、ハイビスカス茶など、花をキーワードにしたミステリー短編集。
(光文社 1870円)