(2)加齢とともに増える「尿失禁」は高齢でも治療で改善できる
尿失禁
前回の頻尿と並んで加齢とともに増加するのが尿失禁です。
尿失禁には、切迫性尿失禁(急に尿意をもよおす)と、腹圧性尿失禁(咳や重いものを持った時に尿が漏れる)の2つに大別されます。
■切迫性尿失禁
日本排尿機能学会の調査(2023年)によると、切迫性尿失禁は、20代と40代の男性では9.8%、60代で17.2%、80代は34.4%。女性では20代が7.3%、40代で11.6%、60代は20.1%、80代では44.2%と、男女とも年齢が上がるにつれ増加することが分かります。
主な原因は、膀胱の過活動です。
そのため、治療は頻尿治療と同じで、薬による治療(β3交感神経受容体刺激薬や抗コリン薬)、難治性の場合は、磁気刺激療法、ボツリヌス毒素膀胱壁内注射や仙骨神経刺激治療薬となります。
ただし、男性で前立腺肥大のある人は、薬物療法やボツリヌス毒素治療を行った場合、副作用のリスクがありますので、医師と相談して行う必要があります。