「城主になった女井伊直虎」梓澤要著
明年のNHK大河ドラマの主人公の生涯と、彼女が生きた時代背景を解説した歴史読み物。
井伊直虎は、戦国時代の遠江国(静岡県西部)の領主・井伊直盛の娘として生まれる。当時の遠江は、三方から狙われ、まさに乱世の真っただ中にあった。長じて、婚約者が今川氏に命を狙われ破談になった直盛の娘は出家して「次郎法師」を名乗るようになる。その後も、今川義元、氏真に当主や重臣を相次いで死に追い込まれ、平安時代から500余年続いていた井伊家は滅亡の危機に。永禄8(1565)年、次郎法師は、前当主の遺児・虎松の後見人として直虎を名乗り、城主となる。列強の狭間で領地を守り、後世へとつないだ女性の激動の人生を描く。(NHK出版 1100円+税)