「出羽三山」岩鼻通明著
出羽三山の山岳信仰の長い歴史と豊かな文化を解説したテキスト。
山岳信仰とは古くからある自然崇拝の一つで、それが宗教として体系化されたのが修験道と呼ばれる。出羽三山は、山形県の月山・羽黒山・湯殿山の総称。奥山である月山山頂の「御室」には、奥宮としての月山神社本宮が置かれ、里山である羽黒山の山頂には、里宮として三山を合わせ祭る出羽三山神社の本社、三神合祭殿が置かれる。崇峻天皇の皇子である能除太子が開山者と伝わる羽黒山の縁起や、かつては三山の一つだった葉山が湯殿山に代わった経緯など、古代からの三山の歩みをひもとく。その信仰の広がりや多様な宗教民俗、そして実際の現地ガイドまで。いにしえより人々を引き付ける三山を案内。
(岩波書店 900円+税)