(9)ミス・マープルが住んでいそう
遮光カーテンの隙間を縫って、殺人的な西陽が夫の顔に降り注ぐ。
まるで、蝋人形のようだ。
「あの」朝美は意を決して、最初の疑問を繰り出した。「ここを売ったとして、そのあとはどうするんですか?」
「それは、安心してください。次の家はもう決めてあります」
…
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