「古畑」なければ引退してた…「アリキリ」石井正則の“転機”

公開日: 更新日:

 すると半年後、「古畑任三郎」のスタッフから事務所に「レギュラーで出ていただきたい」と電話がきた。「古畑任三郎」は田村正和さんと西村雅彦さんの“古畑・今泉”コンビしかレギュラーがいないから、意味がよくわからなかった。台本をもらうと、僕も西園寺という名の刑事。第3シーズンの1話は僕が古畑を迎えに行くシーンから始まる。毎週3人で捜査し、事件現場を古畑に説明したりと重要な役。大抜擢です!

■役者をやる気はなかったのに…

 お会いした2度目はプロデューサーを交えての打ち合わせの喫茶店。三谷さんは「『ボキャブラ』の中で石井さんは場に馴染めてない感じがいい。だからドラマの現場でも馴染もうとしなくていいので、とにかく一生懸命やってください。緊張すると思いますけど、緊張してていいです。西園寺は刑事としての古畑に憧れているので」と。

 言われた通り無我夢中に一生懸命やりましたよ。僕は芝居の経験がまったくなかったので、田村さんと西村さんの間に入って大失敗に終わる可能性もあった。だから「この役で売れてやる」とはまったく考えず、「三谷さんの顔に泥を塗ってはいけない。西園寺が入ったせいでつまらなくなったと言われないようにしよう」って気持ちだけで頑張った。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」