主演作ジワリ評価 「日本一ヅラ似合う」中井貴一が本領発揮
■ヘタな女優超える美意識
特に主演の中井貴一(53)は凄まじい。日本映画を代表する実力派であるのは誰もが認めるところだが、改めてその存在感を示している。映画批評家の前田有一氏がこう言う。
「時代劇映画に対する並々ならぬ思い入れを、これまで培ってきた演技経験を糧にきちんと具現化させている。中井貴一という“時代劇役者”のポテンシャルを随所に感じる作品です。仇役を演じる阿部寛もすばらしい俳優ですが、残念ながら時代劇が似合うビジュアルとは言い難い。その点、中井さんの容姿は着物がサマになり、髷もよく似合う。所作ひとつとっても完璧で、役者としての意識の高さをうかがわせます」
もはや映画やドラマになくてはならない存在。「俳優・中井貴一」のストイックな姿勢は楽屋裏からも聞こえてくる。
「中井さんはヘアメークが完全に終わるまでごく少数の関係者以外、控室への出入りを厳禁にしている。特にヘアチェックには余念がなく、映画でもドラマでも専属の担当者をつけるこだわりようです。ヘタな女優より美意識が高い」(芸能関係者)
とりわけ、時代劇のカツラは作品の完成度に大きな影響を及ぼす。日本一の時代劇役者は、日本一ヅラが似合う男である。