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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第21回>高倉健に少しも臆していない菅原文太の芝居

公開日: 更新日:

 アメリカの大統領が全世界に向かって演説するよりも、『タイタニック』を持って世界中で上映した方が、大衆の心はアメリカに向かうと思う」

 この映画における見どころは高倉健よりも菅原文太だ。これを見ていると、菅原文太という人の芝居が実にしっかりとしたものだと感じる。セリフは明晰だし、アクションシーンでも体が動く。何より、高倉健に対して、少しも臆していない。自分がやりたい芝居をしている。

 個人的には復讐譚よりも、冒頭の7人が仲間割れをしながら刑務所を脱走するところが面白かった。脱獄と仲間割れだけに焦点を絞れば、俳優の演技がもっと楽しめた映画だと思う。

【連載】高倉健インタビュー秘録

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