著者のコラム一覧
野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第23回>戦後初の韓国ロケ作品

公開日: 更新日:

 韓国で日本映画が一般に初めて公開されたのは1992年。大衆文化が順次、解禁になったのは98年以降のことである。ほんの少し前まで日本の映画、テレビドラマは韓国ではタブーだったのである。

 そんな時代に「ホタル」のロケが許されたのは、何といっても「世界的な俳優、高倉健が出演する映画」だったからだ。

 わたしも韓国ロケに出かけていったから、よく覚えているが、スタッフ、出演者とも撮影が終わってからも繁華街へ繰り出すようなことはなかった。酔っぱらって何か事件でも起こしたら、ロケが中止になる可能性もあったからだ。ぴりぴりした状態の韓国ロケだった。

 高倉健はこの映画について、こう語っている。

「今度の映画は世紀の終わりに向けて考えたものでした。
 特攻のことは残しておくべき話だと思っていましたから。今、この国には何かを守るためにすべてを捧げるという人がほとんど残っていないでしょう。
 しかし、あの戦争のときにはそういう人たちがいた。

 その人たちが命をなげうってこの国があり、僕たちがいる。特攻を取り上げて美化したいのではないし、逆に戦争責任を追及したいわけでもない。

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