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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第23回>戦後初の韓国ロケ作品

公開日: 更新日:

 昔、国を守るために命を散らした人たちがいる。それが今では風化していきそうになっている。じゃあ、それを映画にしてみようと、そう思ったのです」

 高倉健は政治的な発言などしたことはない。菅原文太と違い、政治家の応援演説なども行ったことはない。彼は右翼でも左翼でもなかった。常識あるひとりの日本人として政治を見ていた。彼は他人の悪口は言わず、泣き言も言わなかった。誰かの責任を追及しようとも思っていなかった。

 だが、この映画のときだけは「日本人として忘れてはいけないものがある」と主張した。

 それだけに「ホタル」には大きな意味がある。声高なメッセージ映画よりも、あの高倉健が「伝えたいことがある」と言う事実は重い。(おわり)

【連載】高倉健インタビュー秘録

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