「花燃ゆ」陰の主役 松陰が最も信頼寄せた楫取素彦の生き方

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 そして教育と産業を発展させるため、「廃娼」など女性の解放も進めた。今で言う「女性の活躍」のことだ。

「これも“人間は平等”という松陰の教えが根底にあります。松陰は、当時の厳格な身分社会の中にあって最下層の被差別民も大事にした。それが奇兵隊の創設にもつながります」(中村氏)

 楫取と松陰の関係で忘れてはならないのは、松陰が座右の銘である「至誠」の言葉を贈った人物こそが、楫取だったということだ。松陰は処刑されることを承知の上で江戸へ旅立つ1カ月前、萩で「至誠にして動かざる者未だこれ有らざるなり」(誠意を尽くして動かしえないものはない)という孟子の言葉を楫取に託した。

「楫取はナンバー2の存在でしたが、<自分さえよければいい>という今の時代には、コツコツと仕事をする楫取のような人が求められると思います。坂本龍馬のような有名人にはなり損ねましたが、もっと世間はこの楫取素彦という人物を知るべきでしょう」(中村氏)

 ちょっと格好良すぎるか。大沢たかおの楫取に注目すれば、大河ドラマはさらに面白くなる。

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