お笑いやる暇なし? 出版界で「ピース又吉センセイ」争奪戦
老舗文芸誌「文学界」を創刊史上初の大増刷に導いた作家、「ピース」又吉直樹(34)の勢いが止まらない。
通常1万部に満たない発行部数を累計4万部に引き上げただけでなく、掲載された中編小説「火花」は3月11日に単行本として刊行される。先週末(1月30日)、発行元の文芸春秋が発表した。
「書籍化は2月号(文学界)の発売前からすでに決まっており、既定路線です。ただ雑誌がここまで売れたのは想定外。彼の筆力と作家としての可能性からすれば、賞レースは十分に狙えるでしょう」(版元関係者)
ギョーカイ内でも、「読書好きとセンスの良さを売りにした芸人の余技だろうと眉唾物で読んだら、肩すかしを食らった。登場人物の心情描写に書き手の個性が光り、心を打つ。芥川賞候補としてノミネートされるのは間違いない」(出版関係者)と評判はうなぎ上り。単なるタレント作家のレベルでないのは確かなようだ。
かくして出版界では“又吉争奪戦”がボッ発。
「次回作の発表は新潮社の文芸誌が濃厚。集英社の文芸誌では以前に彼が選句者だった俳句の連載を復活させるとか。とにかく執筆依頼が鬼のように舞い込んでいる」(別の出版関係者)