「おばちゃんの三角巾に…」原田龍二が師と仰ぐ水谷豊の素顔
それで目の当たりにしたのは、素顔の「俳優・水谷豊」であり、ビッグネームの理由でした。
とにかく、いつも明るくて気さくなんです。ロケ先でサインを求められたら、よほどのことがない限り気軽に応じますし、「色紙やちゃんとしたものでないとダメ」なんておっしゃらない。大衆食堂のおばちゃんが頭に着けていた三角巾を差し出しても、ニコニコしながらサインしてしまうんです。
ユーモアのセンスも抜群で、怒った姿を見たことがない。失礼ながら、年齢を感じさせない身体能力の高さにもビックリ。
挙げればキリがないくらい“凄い”んです。これはヨイショなんかじゃありません。豊さんを知ってる方ならば誰もが感じることだと思います。
周囲への気遣いにも感心させられます。たとえば、挨拶。監督、プロデューサー、共演の俳優や女優さんに挨拶するのは当然のことですが、豊さんの場合、俳優のマネジャーやエキストラ、さらにその日、加わったばかりの駆け出しスタッフにまで丁寧な挨拶を欠かしません。
しかも、椅子に座って待ってるのではなく、自らそばへ行って、必ず相手の目を見て握手するんです。ホント、頭が下がりますね。いわゆる上下だとか先輩後輩といった分け隔てがないんです。それに、誰しも機嫌がいい時ばかりじゃないと思いますが、豊さんは常に冷静で笑みを絶やしません。「関係者はみんなファミリー」といった感覚で接してらっしゃるんです。