脚本が粗く残念なドラマ 西内まりや「ホテルコンシェルジュ」
春の改編に比べて話題にならない7月クールの新ドラマだが、注目したいのは「ホテルコンシェルジュ」(TBS系)の西内まりやだ。
当コラムで「かぶき者慶次」(NHK)を“大河よりおもしろい”と評した際、脇役の西内まりやの可能性とかわいさに注目した。それにしても4月クールから立て続けの連ドラ出演で、主役に抜擢されるとは! TBSは偉い。
しかし、肝心のドラマは脚本が粗くてひどい。コンセプトは“NOと言わないコンシェルジュ”。高級ホテルに赴任した塔子(西内)が客の要望に応えるべく右往左往する内容だ。簡単に言うと、西内がインカムで「何とかなりませんか!」と怒鳴りながらホテル内を走り回るシーンがやたら多いドラマだ。
しかも、西内に持ちかけられるトラブルが、初回を見る限り面白みに欠けた。パーティーの当日なのに、主催者のVIPが飾りの花を全部替えろだの、事前に試食させろだの、理由があるとはいえ金持ち客の単なるわがままばかりで、興味をそそるようなものではなかった。
他にも重要書類を紛失したビジネスマンの話もあったが、“それってコンシェルジュの仕事?”と疑わしいことまで引き受ける。ロケ地のホテルのゴージャスさ(テラスや広いロビー)をやたら見せびらかす設定なのも鼻につく(タイアップしたホテルなのか?)。