1億円に減資で「中小企業化」 名より実を取る吉本興業の狙い

公開日: 更新日:

「笑いの総合商社」がまさかの「中小企業」となる。9月1日付で吉本興業が事業の元手となる資本金を約125億円から1億円に減資することが判明。資本金が1億円以下になった場合、「中小企業」とみなされるため、法人税や法人事業税の負担を軽くする狙いがあるという。

 今年5月、同じ手法で経営再建中のシャープが税制上の優遇措置を狙って実施をもくろむも、政府などから批判の声が噴出し、大企業とみなされる5億円の減資にとどめたという“前科”があるが、カネには何かとうるさいイメージの吉本。同社の広報部は「中長期的な投資を目指した戦略の一環。(資本金は)これまでやってきたプロジェクトやイベントに費やしていく」というが、どんな狙いがあるのか。

「シャープは税金を安くするのが狙いでしたが、今回の吉本興業の場合、税制優遇というよりは赤字の解消が一番の目的だと思います。資本金を取り崩した分だけ赤字も減るので、手っ取り早い。大手になると、資本金はため込むよりも投資に利用する企業も多いので、決して珍しい話ではありません。特に吉本興業の場合、生産しているものの中心は『笑い』という形のないもので、赤字になったり中小企業になったからといって『お笑い』がなくなるワケではないので、影響は少ない。それだけに、減資という選択も思い切りやすかったと思います。今回の減資で芸人さんのギャラが減るというようなこともないでしょう」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末