著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

深夜ドラマ「初森ベマーズ」 怪優と美少女のゆる~い親和性

公開日: 更新日:

【連載コラム 「TV見るべきものは!!」】

ドラマ24」が始まったのは2005年。この10年間、「湯けむりスナイパー」「モテキ」「まほろ駅前番外地」「みんな!エスパーだよ!」など、ジャンルに関係なく、クセのあるマニアックなドラマを作り続けている。

 その実績が評価され、今年、第52回ギャラクシー賞「特別賞」を受賞した。現在放送中の「初森ベマーズ」は、ちょうど40作目にあたる。夏、甲子園、野球という連想なのか、ソフトボールチームが舞台のスポ根ドラマ。しかも主演は乃木坂46だ。ドラマ初主演という美少女軍団のトライは、いかにもこの枠らしい。

 下町にある初森公園が、都市開発で消滅しようとしている。それを覆すため、開発会社会長のセレブ娘(白石麻衣)が率いる強豪チームに、ソフトボール未経験の女子高生たち(西野七瀬深川麻衣ら)が挑むのだ。

 選手集めに始まり、監督探し、不慣れな練習と話は進むが、かつての「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS系)のような、ガチな展開ではない。あくまでも、乃木坂メンバーが懸命に演じるそれぞれのキャラクターと、「アストロ球団」的トンデモシーンを笑って楽しむ、ゆる~いドラマだ。

 ちなみに、「ルーズヴェルト」で監督だった手塚とおるが、ここでも監督を務めているが、本業は女装のスナックマスター。怪優と美少女の親和性も深夜ならではだろう。
(上智大学教授・碓井広義=メディア論)

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