「タモリと戦後ニッポン」著者が解く「ヨルタモリ」人気の秘密

公開日: 更新日:

 近藤氏は同書で、デビュー以来のタモリをめぐる言説を膨大な出版物や資料をもとに検証し、さらに青年期のタモリをよく知る人物にも取材。その上で、終戦直後に生まれたタモリの足跡と戦後の日本の歩みを考察している。

 同氏によれば「『ヨルタモリ』の構成は出世作である『今夜は最高!』(日本テレビ系、80年代)を彷彿とさせるとともに、トークの合間に流れるタモリの寸劇では彼の往年のネタを多く復活させている。それらにはタモリの生まれ育った環境に由来するものも多い」と言う。

 たとえば、ショートコントのひとつである「Mr.炒飯」。そこではタモリがデタラメな中国語を話すコックに扮し、どんな料理もチャーハンにしてしまう。

「料理好きとして知られるタモリですが、それは祖母の教えによるところが大きい。そしてデタラメな中国語は得意のインチキ外国語芸のひとつです。彼の生まれ育った福岡は地理的な位置から韓国や中国のラジオ放送などがクリアな音で受信できたし、高校時代には世界中の短波放送が拾える通信型受信機を自らつくっています。これが後年の芸の格好のネタ元になったのはいうまでもありません」(近藤氏)

 ほかにも「早大時代の仲間と共有した時間や笑いが原点だと考えられるネタが多くある」と話す。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで