コメ価格が17週連続最高値、コメ農家の倒産・廃業は過去最多に…不安定な価格推移に生産者ビクビク
米価はいつ安定するのか。農水省の7日の発表によると、4月21~27日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、4233円だった。前の週より12円高く、17週連続の値上がりで過去最高値を更新した。
備蓄米放出の効果が依然として表れていない状況を受け、石破首相は7日、自民党の小野寺政調会長にコメ高騰などの物価高対策をとりまとめるよう指示。政府内でも、危機感が高まっている。
異常なコメ高騰に翻弄されているのは消費者だけではなく、生産者も同じだ。
東京商工リサーチ(TSR)の調査によると、コメ農家の倒産・休廃業が昨年は89件に上り、調査開始以来、最も多かった。燃料費など生産コストの上昇や、後継者不足が深刻化していることが背景にある。
それだけでなく、不安定なコメの価格推移が今後、コメ農家の休廃業を後押ししてしまう可能性があるという。
「備蓄米放出などの政策が実施されていますが、米価の下落は生産者の収入減につながるだけでなく、経営計画が狂うことを意味します。現在の価格をもとに今年の計画を立て、コストを費やしコメを生産しても、米価が暴落してしまえば赤字になりかねません。コロナ禍でも、コメ需要の減退により価格が下落し、生産者の間で懸念が広がりました。こうした米価の先行きの不透明さが、生産者にとって不安要素になっているのです」(TSR情報本部・後藤賢治氏)