「タモリと戦後ニッポン」著者が解く「ヨルタモリ」人気の秘密
フジテレビ系「ヨルタモリ」(日曜23時15分~)が20日の放送で終了する。メーンの視聴者は中高年の男女。視聴率は深夜では異例の10%台をマークした回もあったが、昨年10月19日の初回放送からわずか1年足らずで“第1幕”を閉じる。
舞台は東京・湯島にあるバー「ホワイトレインボー」。宮沢りえ(42)がママを務めるその店にタモリ(70)が大阪にある工務店のエロ社長、岩手のジャズ喫茶のマスター、関西出身のいかがわしい建築家といった常連客に扮してふらりと訪れるという設定だ。
最近の画一化されたお笑い番組とは異なる謎めいた演出も多く、ネット上には独自の解説を載せ、深読みするサイトも複数存在。また常連のご近所さんに加えて井上陽水や黒柳徹子、桃井かおり、上戸彩など毎回豪華多彩なゲストを呼び、30分の大半をトークに費やすが、人気のヒミツはどこにあるのか。
「タモリと戦後ニッポン」(講談社現代新書)の著者である近藤正高氏は、「1975年のデビュー当時から変わらない“来る者拒まず去る者を追わず”というタモリの笑いにおけるスタンスが最も大きい。また『笑っていいとも!』後期の一部のコーナーでも見られたように、番組の進行役は他の出演者……この場合は宮沢りえに任せ、タモリ自身は時代や視聴者に迎合することなく、自分勝手にやっているのもポイントでしょう」と分析する。