俳優・新田純一さんが語る「延命措置をしない」という選択
身内が倒れ、医者から命についての決断を迫られる。だれもが経験しそうなことだ。
俳優の新田純一さん(52)は45歳だった2008年10月、病院に担ぎ込まれた父・静雄さんの延命について「しない」と決めた。
「脳梗塞でした。医者から『1週間後がヤマ場ですね』と言われてはいたんですけど、ちょうど1週間経った日に『そろそろ今後、容体が急に悪化したときにどうするか、選択をしてもらわないといけない』と。要は、延命措置をするか、しないかの選択です。オヤジの兄妹も、年をとってから離婚した母親も『あなたに任せる』。いろいろ考えた末、オヤジが『ゴルフができなくなったら、オレはもう死んじゃった方がいいよ』と口癖のように言ってたのを思い出して、先生に『延命措置をした場合、ほんの少しの確率でもゴルフができるようになりますか?』って聞いたんです。そしたら『ゼロ』だと。眠れないほど悩みましたねぇ。オヤジの気持ちをくんでやろうにも、しゃべれないし、書くこともできない。でも、本人は『生きたい』と思ってるかもしれない……。結局は、『ゴルフができなくなったら』という言葉を尊重して、延命措置を取らないと先生に告げました」