バレエ挫折…水谷豊の娘・趣里が出合った「第2のお父さん」

公開日: 更新日:

 それでも続けるしかないと思い、塩屋俊さんの「アクターズクリニック」に通っていると、「不道徳教室」に声をかけていただいたんです。当て書き(あらかじめ役者を決めてから書いた脚本)で岩松さんが書いてくださった役と聞いて、もう死ぬほど、うれしかった。

 岩松さんは普段、役者とそう会話される方ではないんです。ただお稽古では「1000本ノック」といって、同じシーンを何度も何度も繰り返し、とことん、やらせてくれる。つづく「ジュリエット通り」という作品で安田章大くんと2人のシーンを稽古している時でした。「好きなようにやっていいよ」って、岩松さんに言ってもらったんです。お芝居の先生では、塩屋さんがいたんですけど、塩屋さんと同じように、私個人として生きていいんだって、言っていただいたように思えました。

 舞台に立つと、映画ドラマもそうですけど、大勢の人たちの前で、もっている感情をさらけ出さなければなりません。もちろん役を通してですけれども、それが見てくださっている方に伝わっていることが分かることがあるんです。


 ああ、生きている。生きてていいんだって、思える瞬間。何か表現したいという思いはバレエをはじめた幼い頃から変わりませんけど、今思うと胸の底に「私」という個人として見てもらいたい、認められたいという願いがありました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ