評価真っ二つだった 押切もえ“山本周五郎賞候補”の舞台裏

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 もっとも、「13年に発行した長編小説『浅き夢見し』と比べ、『永遠とは――』は物語の構成や設定など格段に底上げされている」(書評ライターの倉本さおり氏)と評価されるように、決して人気や話題先行の“客寄せパンダ”ではないようだ。押切は芸能界でも熱心な読書家として知られ、さまざまなジャンルの本を読み漁っているのは有名な話。

 たとえば、「波」(15年11月号)に寄稿した川上未映子著の小説「あこがれ」の書評では〈私は『タッチ』で南ちゃんに出会って彼女がやっていた新体操をはじめた〉などと自らの体験談を交えながら、読み手に親近感を抱かせる。

 押切を含む計5作品がノミネートされている今回の山本周五郎賞。本命視されているのは、「湊かなえの『ユートピア』(集英社)と宮内悠介の『アメリカ最後の実験』(新潮社)。最終的に一騎打ちになるのでは」(出版関係者)。選考会は来月16日。カリスマモデルが第2の又吉センセイになるのはちと難しそうだが、次回作への期待も膨らむノミネート。もし、番狂わせが起ころうものなら、大フィーバーになりそうだ。

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