「月9」終焉で大手企業ソッポ フジからドラマが消える日
■復活「火9」は関テレ、「木10」は東映に丸投げ
もっとも、フジのドラマの不振はこれに限った話ではない。ひと足早く「水10」枠は今年3月末に“店じまい”し、バラエティーにチェンジ。逆にこの10月期から復活する「火9」の吉田羊主演の医療ドラマ「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」は、前クールまで「火10」のドラマを制作していた関西テレビが“お引っ越し”してくるだけ。フジ本体が手がけるわけではない。しかも、「来年1月期から『木10』の制作は東映に“丸投げ”することになった。これは亀山社長の発案で、先方には“テレビ朝日の『相棒』のようなドラマを作って欲しい”と打診したそうです」(フジ関係者)というからいやはやである。
となると、GP帯のドラマは「日9」の1枠だけが自局制作という事態になりかねないのだ。亀山社長は7月の定例会見で「月9」について「踏ん張って欲しい」と発言し、現場にハッパをかけただけにそう簡単に白旗を揚げることはないだろう。だが、局制作が「月9」と「日9」の2本になれば、「ドラマのフジ」の金看板は下ろすしかない。この悲観的状況に局内では、「うちも購入に徹するWOWOWになるつもりかと自虐する声が上がっている」(前出のフジ関係者)という。
制作本数が少なくなれば、若手が経験を積む場が減り、人が育たない。そうなれば良質かつ面白いドラマを作りたくても作れないというジレンマ。貧すれば鈍す、である。