「ランナーである前に芸人」 猫ひろし“マラソン続行”秘話
「抵抗はメチャクチャありました(笑い)。ただ、〈面白い、選手層の薄い国なら五輪代表になれるかも〉と思ったんですね。ボクは芸人ですから、何事も〈面白いかどうか〉を軸に考える。面白いと思ったら、とりあえず何でもやってみる。軸がブレなければ、大抵のことは大丈夫じゃないかと考えています。で、実際にカンボジアに行ってみたら、1年でどんどんタイムが縮んでいった。家族と相談したうえで、11年にカンボジア国籍を取得しました」
狙いはズバリ的中。ところが、前述のようにロンドン五輪の切符を手にするも、取り消されてしまう。走ることをやめようとは思わなかったのか?
「ものすごくショックでしたけど、マラソンは続けようと決めました。ボクはランナーである前に芸人。芸を助けてくれたマラソンを、五輪がダメになったからやめるのはちょっと違うのかなと思ったんです。当時、ボクは35歳。アスリートとして微妙な年齢に差し掛かっていたけど、足の痛みがひいてから毎日30キロ走り続けることを自分に課しました。最近、〈東京五輪に挑戦するの?〉とよく聞かれますが、まだ分かりません。芸人としていかにすべきか、じきに結論を出します」
▽ねこ・ひろし 1977年、千葉県市原市出身。身長147センチ。持ちネタは「ギャグ百連発」など。16年リオ五輪に初出場。