巻き網漁の乱獲危惧 松方弘樹さん「マグロ守って」の遺言
「一本釣りは十分に大きく育ったマグロだけを捕る。マグロの生息数を減らさず、水産資源に優しい“エコ漁法”です。一方、産卵期の魚や稚魚まで一網打尽にする『巻き網漁』は乱獲につながる。30カ国以上で釣りをしてきたが、乱獲を放置している国では明らかに魚が減っていた。日本も海外並みの規制強化をすべきです」
松方さんの釣りの“師匠”だった山口県の漁師らが、こうしたマグロの乱獲状況について、安倍首相など地元国会議員の事務所に訴えたものの、巻き網漁関係者に配慮したためか、何ら改善しなかったという。この話を聞いた松方さんは「そうした政治的関係で巻き網船が放置されているのはフェアではない」と憤り、マグロ問題に取り組む「グリーンピースジャパン」への協力も惜しまなかった。
「マグロを守ってくれ!」という松方さんの願いが安倍首相ら政治家や水産庁に届くのは一体、いつの日になるのか。
(ジャーナリスト・横田一)