お祭り騒ぎ メダリストをひな壇に座らせるTV局の無節操
平昌五輪閉幕から10日。冬季史上最多13個のメダルを獲得し、テレビ各局のお祭り騒ぎが続いている。東京五輪が2年後に控えることも盛り上がりを加速させているが、負担を強いられるのは選手に他ならない。
最初に“ダウン”したのがスノーボード・ハーフパイプで2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢(19)だった。試合翌日にテレビ局が据えた平昌の特設スタジオをハシゴ。帰国後も出演を続けた結果、体調不良を訴えて予定していた番組出演をすべてキャンセルした。
スピードスケート500メートルで金、1000メートルで銀を手にした小平奈緒(31)の体も悲鳴をあげた。金を獲得した翌日、朝の情報番組を転々。26日の帰国後も行事に追われ、28日には世界スプリント選手権(中国)へ出発した。過密日程による疲労がピークに達し、2日目の1000メートルを体調不良で棄権。目下、休養中だが、17日にはW杯、25日には地元・茅野市での祝賀パレードが控えている。
スポーツファンの吉川潮氏(作家)がいう。
「テレビ局も悪いですね。選手はメダルを取って競技や自身が注目され、うれしくて出てしまう。若い選手はなおさら、頼まれたら断れません。それをセーブするのは周りの大人の仕事。(オリンピック)連盟や(各競技の)協会が管理しないといけない。すでに規制していると言うなら、規制が甘いと言わざるを得ません。どの局も同じようなことしか聞かないのだから、出演を制限すべきですよ」