自らが作品 引退宣言した田村正和との懇親会での思い出
田村は、コミカルな役柄をやるようになっても、そのダンディーさは変わらなかった。つまり、普段から「田村正和」を演じ、「田村正和」そのものが、ひとつの作品のようなものなのだ。その作品である田村正和が満足できるものではないと感じたら、世の中に出す気にはならないということなのだろう。まだまだこの先、好々爺といった役柄だってあるだろうが、それは田村正和ではないのだ。
■樹木希林とは正反対の生きざま
74歳になる田村より1学年上の樹木希林が、先日行われた映画試写会の舞台挨拶で、自宅で気絶して転倒し、額にコブをつくったと明らかにしている。しばらく意識を失っていたほどだったそうだが、病院へは行かなかったとか。
樹木は2013年に自ら「全身がん」と告白したり、体調の悪さを伝えたりしてきた。今回も、「こういうところ(試写会)に連れて来ないでって感じ」などと言って会場の笑いをとっていた。彼女の場合は、自然体の自分をさらけ出し、現状のままを見せることで「これでもいい。必要だと言ってくれるなら、仕事をしますよ」というスタイルに見える。