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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

再ブレイクはしたくない…ヒロシの「無理をしない」生き様

公開日: 更新日:

お笑い芸人になってTVにいっぱい出て、いつかあんたたちよりいい生活をしてやるんだ」(リクルート「リクナビNEXT」15年11月5日)

 そんなことを思い、嫌なことでも耐え続けた。

 23歳の頃にお笑いコンビとしてデビュー。やがてコンビを解散し、ピン芸人となった。30歳を越えて、ようやくテレビに出られるようになり、自虐ネタで売れっ子となった。最高月収は4000万円。けれど、「最初にもらった30万円」の方がうれしかったと冒頭の番組で語っている。

 次第にテレビで求められるものと、自分ができることとのギャップに苦しめられるようになっていった。お笑いは大好きだから、やり抜くと決めた。けれど、「無理をして上の人に気に入られたり、やりたくもないことをやったりするくらいなら、無理せず好きなことを自分のペースでやっていきたい」(新R25社「新R25」18年4月26日)と思うようになった。

 ブレークから約5年後、事務所に「もうテレビに出ません」と伝えた。芸能界でトップを取りたい、大金を稼ぎたい、一般的にはそういったものが芸人のモチベーションだ。けれど、ヒロシはそうではない。

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