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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

自分のデキなさに踊らされ…コウメ太夫の“チクショー人生”

公開日: 更新日:

 彼のような「歌って踊る人生」に憧れ、ジャニーズ事務所や「ミスター日本」のオーディションに応募する。だが、結果はやはり不合格。その後も、さまざまなオーディションを受けるが、ほとんどはダメ。そんな中で唯一、コウメを受け入れてくれたのが、梅沢富美男主宰の劇団だった。

 そこで女形となり、着物の着付けや化粧を覚え、踊りを習った。毎月の給料も出る高待遇。しかも「歌って踊る人生」だ。しかし、コウメは劇団を辞めてしまう。

「このままここに居ても、トップである梅沢さんを超えることは出来ない」(新潮社=山田ルイ53世著「一発屋芸人列伝」18年5月31日発売)と。

 お笑い芸人を目指し、活動を開始。やがて、お笑い界ではまだ誰も手をつけていなかった「女形」に目をつけると、そのキャラが「エンタの神様」(日本テレビ)のスタッフの目に留まった。

 ディレクターたちがコウメのネタをブラッシュアップしていく。だが、コウメは彼らが作った「わたくし、狂い咲きのコウメ太夫と申します。つれづれなるままに書き散らした『コウメ日記』、お聞きくだされ?」という出だしのセリフすら覚えられない、できなさっぷり。

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