著者のコラム一覧
クロキタダユキ

「レッド・スパロー」(2018年、米国)

公開日: 更新日:

 ロシアの美人バレリーナ・ドミニカは政府に仕える叔父の策略で強制的にスパイの道に。その養成学校の冷徹な女教官が反抗的な彼女を諭した言葉だ。

 その女教官役のシャーロット・ランプリングがスゴイ。冷たいまなざしは鋭く、貫禄十分。周りの前で女生徒には、フェラチオさせたり、ドミニカにはレイプされた相手にセックスを命じたり。

 極寒の地・ロシアやハンガリーを舞台にしたスパイ映画。いろいろな事情で主人公が強制送還されて水責めや暴力などの拷問を受ける。そんな役を演じるのが、オスカー女優ジェニファー・ローレンスで、全裸ヌードを初披露。肉欲で男を狂わせる女スパイを体当たりで大胆に演じている。

 拷問をくぐり抜けて出会った男は、機械で皮膚をはがされるシーンにゾッとする。正直、マジで怖いが……。

 原作者が元CIA捜査官だけあって、いかにロシアが冷酷かつ劣悪な国家であるかのようなストーリーが展開。真偽はともかくスパイの舞台裏がリアルに描かれているのが面白い。ドミニカをスパイにスカウトした叔父がプーチンに似ているのが笑える。

 スパイ映画にしては、アクションがイマイチだが、水責めや皮剥ぎなどの拷問シーンに背筋がゾッとする。そこにからむのがジェニファー・ローレンスだから、SM好きにはたまらないだろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ