鶴田真由さん最後の晩餐「おいしい米と漬物、塩があれば」
芝居はまず脚本があって、それを役者が立体的にしていくものだと思います。すでにあるものから作り出すわけです。それはとても面白いことなのですが、私は無から作り出すことに憧れます。実は無じゃなくて、自然との共鳴から出てくるものですが、私が死ぬまでにやりたいのはそういうことです。
芝居はアウトプットのひとつ。芝居だけでなく絵画にしろ音楽にしろ、芸術は宇宙の真理からアウトプットしたもの、大本の宇宙の真理を伝える手段、道具のひとつではないかと思います。
レオナルド・ダビンチの言葉に「絵画はもの言わぬ詩であり、詩は盲人にとっての絵画であり、絵画も詩も自分の能力のなしうる限り自然を模倣していく」というのがあります。自然の摂理=宇宙の真理の中に真実と美があるということだと理解しています。科学や宗教も同じだと思います。私も私なりに宇宙の真理にアクセスしたい。そういう欲求が強いです。
アクセスする手段は私の場合、ヨガでした。30代前半、たまたま誘われてインド人のヨガの先生に教わり始めたら、ある時、ポーズをとっていて心と体が一体になった感覚がありました。