困った注文…闇夜のカラス、透明人間、木綿と絹ごし豆腐

公開日: 更新日:

 秋元真(正楽の本名)青年は2代目正楽に師事したものの、すぐに芸名をもらえたわけではない。というのも、紙切りに専念したのでなく、アルバイトをしながら稽古を続けていたからだ。

「4年間、アルバイトとの掛け持ちが続きまして、1970年にようやく林家一楽という芸名をもらいました。でも、落語家と違って楽屋の前座仕事をすることがないので、すぐ寄席に出られるわけじゃない。しばらく地域寄席など安い仕事ばかりしてました。キャバレーのショーの仕事もやりました。当時は若手落語家も落語だけじゃ食えないから漫談、大喜利、司会なんかをやってました。あたしのギャラはひと晩7000円で、他の仕事より高かったですね」

 5年近く多種多様な仕事をした後、晴れて落語協会の正会員となり、寄席に出るようになった。

「キャバレーの酔客の注文を切ることで鍛えられましたから、寄席でちょっとガラの悪い客とか行儀の悪い客にも驚かなかった。何事も経験しておくもんです」

 寄席の客の注文は定番の物が多い。干支、風物詩、日本舞踊の「藤娘」は姿がきれいなので人気がある。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に