娘と漫才コンビ 三吾さんが振り返る“しんどかった日々”

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 その万博の後は松竹の劇場を1日2カ所、掛け持ちで出るとか忙しい日々でしたが、苦労とは思わなかった。まだ若かったから。

 転換期は94年に長女とコンビを組んだこと。人生でまったく予想してなかった(笑い)。経緯があったんですよ。娘が高校3年生になった頃、周りは就職活動しているのに、娘は何もしてない。「卒業後は何をするの?」と聞いても「私は私で考えてるから」と。僕は“大丈夫かいな?”と思ったけど、干渉せんかったんですよ。そしたら父の日の前日に「今年の父の日はいいものあげるからね」と言われ、「楽しみに待ってるで」と返事。どうせネクタイか靴下ぐらいやろなと思っていました。

■「お父さんと漫才がやりたい」が父の日のプレゼント

 父の日の朝、起きたら手紙というか絵がついてるカードが置いてありました。「私が高校卒業したらお父さんと漫才がやりたい。これは真剣に考えたことだから、お父さんも真剣に考えてください」。そう書いてあった。「あいつ、何考えてんねん!」と血の気が引きましたよ。僕は芸能界に娘を入れたくない。だからその日以来、僕が出ている劇場に娘が見にきて、家でいろんな芸人の感想を話してきても、一切のらなかった。無視していたんです。

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