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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

巧い上に強い下ネタに命張るどぶろっく江口は太宰タイプ

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 初めてやったネタは、ビートたけし映画をオマージュしたようなもの。自分たちのスタイルができるまでは、ケンカが絶えなかったという。だが、下ネタの歌という武器を手にしてからは変わった。森が言う。

「コントだとお互い言い合いや細かい注文が多かったんですけど、歌ネタだけはネタ合わせでぶつかり合いがないんです。相手がやることをすんなり受け入れて、江口がそういくならこういこうかって話が早い」(同前)

 今でも月に1度、多いときは週1で稽古場で会い、ネタ合わせより前にお互いの愚痴を聞き合っているという。自ら「太宰治タイプ」だという江口は不安をため込んでしまいがち。だからそれを振り払わなければいけない、と。森は江口の話を聞いていると自分の悩みは大したことない、と自分も元気になる。互いにとって大事な時間なのだ。

 小学校の頃、江口はテレビでビートたけしが「おネエちゃん、ヤラせて」と言っているのを見て電撃が走った。「人前でいつかこういうことを言いたい」と今の芸風にたどり着いたという(「東京スポーツ」15年2月23日)。

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