児島美ゆきさん「北の国から」田中邦衛さんとの時間は財産

公開日: 更新日:

開高健や大江健三郎も「こごみ」を絶賛

 倉本氏は日刊ゲンダイで18年から連載していた「ドラマへの遺言」の中で「(登場人物に熱くなれる人がいるとテンションが上がるか聞かれて)そりゃあ、惚れて書けますから。ラブレターの対象がいるわけですから」と語った。

「先生はまず好きな役者をキャスティングした上で、ドラマの登場人物に役者のキャラクターを重ね合わせていきます。ホステス・こごみもそうやってつくり上げられました」

 倉本聰著「独白 2011年3月『北の国から』ノーツ」には「(こごみは)可愛い女。可哀想な男が現れるとすぐに寝てやる。天使のような天真爛漫なホステスだ。児島美ゆきが実によく演じた」と書かれている。

「倉本先生から聞かされました。付き合いのなかった作家・開高健から速達が届いてこごみを絶賛していた。大学時代の同級生で仲のよくなかった作家の大江健三郎と新幹線で遭遇した際に、『こごみさん、いいですねぇ~。僕、あの人のファンです』と話しかけられた――。こごみには多くのファンが付いていたんだなぁと実感させられました。でも、先生はワタシのことを一度も褒めたことがないんですよ。本の中にある『よく演じた』なんてセリフは聞いたことがありません。ウフフ」

「十兵衛にしてもこごみにしても、どんな役柄であっても“ワタシのことを何十年も覚えていただいている幸せ”を実感する今日この頃。12月はライブ、朗読劇、舞台があります。皆さまとお会いできたらうれしいです」

(取材・文=絹見誠司/日刊ゲンダイ)

◇舞台       
「誓い」奇跡のシンガー2019(12月3~5日)武蔵小山スクエア荏原ひらつかホール℡0120・240・540
時代朗読劇「磔刑の女」(12月27~29日)新宿スターフィールド ℡090・4714・9459
◇ライブ  
Miyu's Island BACK IN TOWN(12月15日) ℡03・3353・4655

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」