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井上トシユキITジャーナリスト

1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

肥大化したSNSで発信力のダイエットに取り組むのはどうか

公開日: 更新日:

 とはいえ、狙ってやっているかと思いきや、批判に対して毎回のようにちゃんと反論してくるあたり、どこまでが本意なのか測りかねる部分もある。

 ガチンコで発信しているように見せかけて、いわゆる「プロレス」をやろうとして下手なだけかとも思えるが、いずれにせよ、はた目からは剣が峰をフラつきながら渡るような危うさを感じる。

 沈黙は金、冗舌は銀とは言うものの、SNS全盛にあって、ただ黙っているわけにもいかない。となれば、炎上も含めてどれだけうまく手綱さばきを見せられるか、そこが、ただ叩かれるだけの悪い炎上と、結果的に得をする良い炎上との分かれ目だ。

 炎上の猛者たるゆえんは、炎上させる要素の完璧なコントロールにある。だからこそ、マーケティングなのであり、わかってやっているから得する方へも誘導できる。同じ金の使い方でも、一方は下品だとネガティブな上級国民に、他方は豪快だとポジティブなセレブに受け取られるのは、普段の「見せ方の節制」の違いなのである。

 そろそろ、肥大したネットでの発信力のダイエットに取り組んではどうか。投稿数や書く分量の減量は外見を整える、内容の見直しは内臓脂肪を取るようなものだ。そう、いつものことなのだ。

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