中居正広の退所会見はSMAP再集結のための“地ならし”なのか
しかし、このショーにおいて2つの事象を隠そうとしたのはむしろ、ジャニーズ事務所とSMAPへの愛だったとは言えないだろうか。そもそも「SMAPでだって、リードボーカルやりたい」(※8)と語る中居が、もともと苦手だったしゃべりを磨いたのは「SMAPにとっても大きな武器になる」(※9)と考えたから。出発点は自分のためではなくチームのためなのである。
そうして磨かれていったトーク力は、“ジャニーズタレント・中居正広最後のショー”を成功に導いた。芸は身を助く。中居自身のみならず事務所やSMAPの元メンバーたちにもプラスになったはずで、むしろこういうときのために中居は話術を磨いてきたのではないかとも思えるほどだ。
そう考えると、この中居の集大成の会見は、いつかもう一度SMAPとして集まるための地ならしだったのではないか。25年前、森且行のいた時代に中居はこんなことを語っていた。きっとこの信念が根底に生き続けているはずだ。
「何でも6人で一つじゃなきゃ」(※10)
※1 AbemaTV「7.2 新しい別の窓」2020年3月1日放送