活力の源「好きな酒やめる気はない」コロナ禍の銀座を憂慮
でも酒は活力の源。やめる気はない。コロナウイルス禍の前は、夕方5時に会社の業務が終わると(実は水道メーター会社「ニッコク」の社長も務めている)、晩飯を一人で食べるのは嫌だからと、誰かを誘っていた。たいていは銀座の女の子だ。
「カウンターの隅で一人黙々と食べていても絵にならないし、味気ないじゃないですか。やはり人と飲みながら、しゃべりながらの方が楽しいですよ。それで女の子に電話すると『同伴してくれるなら付き合うわ』と言われてね。結局、食事で終わらず、そのあとも飲みに行ってしまいましたね」
エンジンがかかって、もう一軒となることもしばしば。帰宅は深夜1時、2時だった。この猪突猛進ぶりは昔から変わらない。
「しかし今、自粛要請で銀座は泣いていますよ。出勤調整で売り上げの少ない子はもう来なくていいとかね。それに銀座は現金で飲む人がほとんどいないでしょう。たいていツケですからね。女の子の給料も、仕入れ代も、店が立て替えなきゃいけないし、こんな事態になると非常に厳しい。本当に早く終息してほしいと思います」 =つづく
(ジャーナリスト・松田亜希子)