カギは伊藤沙莉?「光源氏」vs「M」土曜ドラマ対決の行方
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「声高には言えませんが、“外出自粛”の効果もあると思います」と、こう続ける。
「田中さんも、千葉さんも、これまで“テレビ離れ”していた人がたまたまテレビを見た時に、つい引き寄せられるような極端なビジュアル。さらに『M』は視聴者のツボを突くのがうまい鈴木おさむさんの脚本、『光源氏くん』は原作の面白さプラス30代になっても“カワイイ”を突っ走る千葉さんと、“普通力”に長けた伊藤さんの演技の絶妙なバランスが光ります。それぞれ、見始めるとなかなかチャンネルを変えられない要素がありますね」
残念ながら「M」は新型コロナ禍のあおりで制作が間に合わず、9日には予定されていた第4話に替えて第1話のリミックスバージョンを放送。一方、全8話を撮影終了済みの「光源氏くん」は同日に第6話と、残すはあと2話だ。ネット上には早くも“ひかるくんロス”に怯える声もある。
「比較するものではありませんが、あえて言うなら、途中から見ても一瞬で状況が理解でき、笑えて癒やされる『光源氏くん』のほうが、“コロナ疲れ”の視聴者を引きつけそうです。それに共演の伊藤さんが凄い。どんなOL役をやっても、憎たらしかったり生々しかったり、本当にいそうな感じにできるのですが、『光源氏くん』では、その凄さが際立ちます。“美人女優”のくくりではないのですが、共感させる力が抜群で、時にはスター女優以上にかわいく見えることも。ビジュアルに頼らず、表情ひとつ、仕草ひとつで役のキャラや心情をきっちりと伝えられる稀有な女優さんだと思います」(前出の亀井徳明氏)
令和2年春クール、コロナ禍中のテレビ。平成歌姫の話と平安貴族による“土曜ドラマ対決”の行方やいかに?