<6>麻雀は速さが武器 灘麻太郎プロの魅力は攻めの切れ味
他家は気分的に守勢になり、灘さんペースの麻雀になってしまう。門前で手をつくる、遅攻型が多い上級者の中で、食い仕掛けの多さは目立っていた。
そこで、下の牌譜を見ていただきたい。第18期麻雀名人戦(「週刊大衆」主催)の予選2回戦で、灘さんが打ったもの。対々和、ドラ「一筒」3という満貫の和了である。
5本場は名人戦ルールでは、二翻しばり。配牌を見て、諦めが先に立ちそうだ。
「どうやって、二翻をつける?」
「北」はオタ風、三色狙いも浮かぶが、索子は手がかりもない。「九筒」ツモで「五索」を捨てたのは、チャンタ系の手役を狙ったからだ。
次のツモがドラ「一筒」、聴牌を急ぐ他家からドラが出ると、すかさず「ポン!」。
灘式の速攻が冴える。この「一筒」を叩ける打ち手は、どれぐらいいるだろうか。私は、ポンしないと思う。灘さんはドラ3枚で満貫を確保、あとは成り行きにまかせる。
摸打5、6巡、続けて「六索」を引き込み、対々和の形ができてきた。相手にすれば、ドラ「一筒」が副露してあるから、慎重にならざるを得ない。